仙台にアルフィオーレというレストランがあるのをご存じでしょうか。
自遊人2009年5月号の野菜特集で「ちょこっと」紹介して
その後の2010年1月号で大きく取りあげています。
http://www.jiyujin.co.jp/organic/page/?page_id=alfiore
(そのときの記事を再構成しています)
シェフの名前は目黒浩敬さん。
私自身は2009年5月号の掲載後に初めて店を訪ねたのですが
その時の衝撃といったら、強烈なものでした。
温泉取材で東北出張の帰り道、なんとなく
「このあいだ、掲載したアルフィオーレに行ってみるか」
と電話をしたのですよね。
もちろん自遊人の編集部であることもなにも言わずに。
店の第一印象は「ふーん、かなり小さな店だな」といった感じ。
仙台市街を見おろす高台、マンションの1階にあります。
お世辞にもそんなに立派な店ではありませんし、
それほど美味しいものが出てきそうな気配もありません。
店に入った時点で他の店と違うなぁ、と思った点といえば、
天井から生ハムがぶら下がっていることと
パスタを手作りしていることがわかったことくらい。

私は基本的に玄米菜食が日常なのですが
野菜特集で取材した時に「野菜だけで食事ができる」ということだったので
カウンターに座って目黒浩敬シェフに私は言ったんですよね。
「野菜だけで食事、できますか?」と。
ほんとうは野菜だけの場合は事前予約が必要なのですが
私が予約したのは当日。ダメもとでお願いしたわけです。
すると目黒シェフはこう答えました。
「野菜だけで料理する場合、ほんとうは数日前にご予約いただきたいのですけれど
できるかぎりやってみますね。だしにも肉や魚を使わないほうがいいですか?」
「いえいえ、私の場合、厳密なベジタリアンではないので
だしは動物性のものを使っても構いません」
「それなら大丈夫です。前菜、パスタ、メインはどんなものがお好みですか?」
「野菜料理ってどんなものができるんですか?」
ここから目黒シェフとの料理相談のキャッチボールがはじまったわけです。
実はこの店、メニューというものがほとんどないに等しく
シェフといろいろ相談しながら料理を決めていくというスタイル。
日本の割烹のいい点をまるまるイタリアンに持ち込んだ形で
この会話が最高に楽しかったわけです。
そしてさらに出てきた料理にビックリ。
「えっ? あれがこんな味になったんだ」という純粋な感動はもちろん、
「えっ? そのアンチョビも自家製なの?」とか
「えっ? その野菜、自分でつくったものなの?」とか。
とにかく驚くことばかりで、すっかり目黒浩敬シェフのファンになってしまったわけです。

で、ちょうどその頃、私自身はと言えば
情熱大陸の取材を受けている最中でして
(お恥ずかしながら昨年11月にオンエアされました)
その感動をディレクターに興奮気味に伝えたのですね。
「凄いシェフがいましたよ。仙台に」と。
地方のイタリアンのシェフでは
山形「アルケッチャーノ」の奥田政行シェフや
青森「ダ・サスィーノ」の笹森通彰シェフが有名ですけれど
それらの店にも負けない凄い店がありますよ、
ぜひ食べに行ってください、と紹介したのでした。
それから何ヶ月経ったでしょうか。
なんと今度の日曜日、8月8日の情熱大陸に
目黒浩敬シェフが登場するというではないですか!!
なんだか、もの凄く嬉しくなっちゃいますよね。
アルフィオーレという店は、お世辞にも立派な店ではありませんし、
目黒浩敬シェフのプロフィールもけっして凄いわけでもない。
料理だって一流店と比べたら荒削りだし、とくに見た目は
「なんてことのない」料理に見えたりします。
でもね、目黒浩敬シェフの料理は食べるとほんとうに美味しいんです。
なんとも表現しにくいのですが、味覚の掛け合わせに関しては
なんというか、天才的なものがあるのですよ。
さらにその材料をほとんど手作りしてしまっているところがこれまた凄い。
来週の情熱大陸、ほんとうに楽しみです。
さてさて、どんな映像になっているのでしょうか。
楽しみだなぁ。
(番組詳細はこちら!)

あ、それから。
皆さんぜひ、オンエア前にアルフィオーレにご予約を。
目黒浩敬シェフのアルフィオーレは、一日3組限定。
オンエア後は予約が取れなくなってしまうかもしれません。
住所:宮城県仙台市太白区向山2-2-1エスパシオ向山1階
電話:022-263-7835
時間:12:00~14:00LO、18:00~21:00LO 要予約
定休:水曜
それから、それから。
実はタイムリーなことに8月28日、
自遊人では読者5組10名様をご招待して
アルフィオーレで食事会を開催する予定です。
食事代はもちろん、なんと東京から交通費まですべてご招待という企画。
(松竹梅白壁蔵 生?純米という日本酒が協賛してくれたおかげで
皆さんを無料でご招待できることになりました)
詳細は自遊人9月号18ページをご覧ください。
それから、それから、それから。
2010年1月号の自遊人で紹介したあと、
ずっと目黒浩敬シェフは
自遊人オリジナルの商品を試作してくれていたのですが
それがやっと商品になりました。
それがこちら。
http://www.jiyujin.co.jp/organic/p/1218
けっして巷にありがちなライセンス商品とかではありません。
自遊人で販売している「名亭のごちそうシリーズ」は
料理屋さんやレストランで基本的に製造していますが、この商品も同じ。
アルフィオーレで使っている材料そのものを
目黒シェフがほんとうに調理して製品にしています。
お届けするのは「単なるトマトソース」なのですが
そのトマトソースがただものではありません。

その詳細はまた今度お伝えするとして
ほんとうに、ほんとうに美味しいんです。
ということで長くなりそうなので、また今度にします。
自遊人編集長
岩佐十良
jiyujin.co.jp