« ごちそう倶楽部の新米が遅い理由 | トップページ | 第10回、米食味コンクールに参加してきました »

ごちそう倶楽部のお米はなぜ高いのか

自遊人ごちそう倶楽部が扱っている食品の中で、特に思い入れがあって力を入れているのはお米ですが、「価格が高すぎる」とご指摘いただくことがあります。

なぜ高いのか。その理由を少しだけ説明させてください。

価格の違いとしていちばん大きなポイントは、やはり「味」です。天日干しといってもその味の差は様々ですし、そもそも天日干しするまでのお米の作り方によってお米の味は大きく異なるのです。土壌、水質、日照、気候といった地域的要因はもちろんですが、たとえ同じ地域でも、土作りからはじまって、その稲の栽培方法まで、違いは多岐にわたります。

今後、この訪問記やサイト上でもそれらの違いを徐々にお伝えしていきたいと思いますが、例えば、簡単な話として、一反の田んぼから何俵の米がとれるのかという指標があります。

通常、平野部の農家では1反あたり12俵前後を収穫します。ところが山間地では8〜9俵しかとれません。で、どちらのお米が美味しいのかと言えば、やはり山のお米なのです(これは科学的な研究結果もありますので、また別の機会に)。

さらに、味を追求する農家は収量をわざと落とすのです。どうやって落とすのかと言えば、「稲を植える間隔を空ける」のです。こうすることで、1本の稲が土の養分を十分吸収できるようになります。いいたって単純な方法なのですが、化学肥料に頼らない農業では大変重要なことなのです(例えば、自遊人の実験栽培田では十分な間隔を空けているため1反あたりの収量は5俵を割っています)。つまり一般的なお米と比べて、収量だけでも半分近くまで落ちてしまうのです。

ただし、市場に流通しているお米はここまでの価格差はありません。なぜこれだけの価格差がないのかといえば、そこには様々な理由があるのですが、これもひとつだけ簡単に言えることがあるとすれば、鈴木和夫さんや鈴木清さんのような農家のお米は、一般には流通しない、ということでしょう。それだけの手間暇をかけて、さらに味を追求しているのです(鈴木和夫さんは食味コンクールで連続入賞したりしています)。

私たちは年間500農家を超すお米の試食をして、さらに100軒以上の農家を訪れていますが、味の差も作り方の差も本当に大きく、実際に皆様にご紹介できるお米は10にひとつもありません。そのなかで鈴木和夫さんや鈴木清さんのお米はトップランクのお米であるのは間違いなく、こういったお米は業者間でも争奪戦が起こるほどなのです。この先は単純に需要と供給で価格が形成されるわけです。これはワインのぶどう畑のことを考えていただければ、ご納得いただけると思います。

それともうひとつ、重要なことがあります。それは私たち自遊人が「志をもった農家を応援していきたい」と願っているからです。生産者に「もっと安くしてよ」と交渉するのは簡単なことなのですが、現実の日本の農業を見渡すと、深刻な後継者不足という問題があります。

なぜ後継者が不足するのかと言えば、農業に魅力がないからなんですよね。頑張っても報われない、作業量と収入が見合わない。そんな現状を打破するために、私たちは経済的側面からも農業に従事する方々を支えていかなければならないと考えています。若い人たちにとって魅力的な農業。十分な収入が得られる農業。食は国の根幹です。

今後も安心で美味しい食を皆様にご紹介したいと思っておりますので、ご指導、ご鞭撻いただければ幸いです。

|

« ごちそう倶楽部の新米が遅い理由 | トップページ | 第10回、米食味コンクールに参加してきました »

守りたい日本の食」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ごちそう倶楽部のお米はなぜ高いのか:

« ごちそう倶楽部の新米が遅い理由 | トップページ | 第10回、米食味コンクールに参加してきました »